中小企業の経営管理部門における生成AIとの向き合い方【2025年5月現在】

経営管理部門と生成AIの今後

生成AIが誕生してから目まぐるしく進化しており、我々の仕事の中でも生成AIを利用する環境になってきています。

経営管理部門の業務の中においては、集計(算出)や分析、手続きなどの事務的な作業やリサーチの際にAIを利用することで、経営管理部門の人による業務が無くなっていくような記事をよく目にします。

それは誤った話ではなく、実際に経営管理部門の業務の中で人が行う業務は無くなるものが多くあると想像しています。

技術革新や新しい発想・考え方など時代の流れにより、今までは存在していた業務が変化していく、縮小していく、あるいは無くなっていくことがこれまでもありますので、まずは致し方ないこととして受け入れることが大事でしょう。

ただ、経営管理部門において全ての業務がAIに代わるという訳ではなく、人にしかできない業務は残ると考えています。

「人にしかできない業務」とは、指示をすること、決断をすること、AIからの回答によってどのように進めていくのかを考えることであると思います。

そこで、AIからの回答に対していかに考えられるのか、活かしていけるのか、の能力が問われることになります。

AI回答リテラシーとでも表現してみましょうか。

生成AIからの回答に対する視点

AIからの回答だからと言って特別に考えたり、身構える必要はありません。

それは、AIからの回答は正しいとは限らないからです。

明らかに誤り(ハルシネーション)であれば回答を読んでいけば分かると思いますが、回答の考え方について適切であったり正しいとまでは言い切れないのではないでしょうか。

そこで、AIからの回答であるかどうかに関わらず、生成AIが登場する前から変わらずに数値や状況を読むリテラシーや、いかに考えられるのかの能力を高める努力をしていくことが重要です。

AIからの回答と考えずに、誰かからの回答と置き換えても良いでしょう。

誰か人から言われた回答で、一般的に明確なものは100%信じることはあるかもしれません。

しかし、元々様々な意見が考えられる内容であったり、基準が明確でない場合に得た回答についてこれまで100%信じてきましたでしょうか。

AIから、自分では想像し得ない範疇を超えた回答を得ることもあります。

そうしたらラッキーと感じて、その得た回答から新たに想像できること、行動できることを考えていくと、より考える幅が広がるのではないでしょうか。

そのような考えで回答を利用していくのも良いでしょう。

いずれにしても「いかに考えられるのか」能力を伸ばすためには、状況を整理整頓して考える、その整理した一つ一つに対してなぜそうなっているのかを深掘りする癖をつけることが大切です。

よって、誰でもすぐにできることではなく、訓練と気づきが必要となります。

他の社員の考えを参考にする、様々なビジネス本を読んだり情報を収集して鍛えることも有効でしょう。

そうしていくことで(生成AIが登場したことで)、人としての価値が明確になり、その価値が高まっていくことと期待しています。

生成AIを利用する際に留意点

現在は様々な生成AIがありツールの性能が向上スピードが凄まじいです。

そのため、実務上では情報漏洩しないAIツールで、明らかに有料で使用した方が良いと判断できる場合を除き、無料の範囲で使用してみることをおすすめします。

それは、AIツールの性能がどんどん更新されるので、何か一つに絞ることが適切であるのか疑問であるためです。

特に情報セキュリティ対策は最も重要です。

AIによる学習がされず、人間のオペレーターによる内容の確認もされない情報が守られるツール以外は使用しないように周知徹底し、ツールを限定して使用するといったルールを作るなど、リスクを最小限にすることも大切です。

情報が守られるツールなのか確認できないけども事業上使用した方が確実に良いツールがある場合もあるでしょう。

その場合は、社内でよく検討し最低でも個人情報は入力しない、といったルールを徹底するなど十分な検討をした方が良いでしょう。

また、複数ツールを併用する場合は、指示や決断をすることや「いかに考えられるのか」能力などの精度を高める目的で使用すると良いでしょう。

終わりに

今後のために、指示をすること、決断をすること、AIからの回答によってどうしていくのかを考えること、すなわちAI回答リテラシーを高めていきましょう。

もし具体的にどのようにしていけばいいのかのイメージが難しい方は、お気軽にお問い合わせください。