管理部門における重要な原則

皆さん、少し硬い話になりますが、会計では企業会計原則というものがあります。

管理上の数値を把握する上でも、この企業会計原則は基本的に大切です。

企業会計原則は頭に入れつつ、管理部門の数値の際に重要な原則を理解しておくことが重要と考えています。

まず、企業会計原則の一般原則の内容は以下になります。

一 企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関して、真実な報告を提供するものでなければならない。

真実性の原則

二 企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならない。

正規の簿記の原則

三 資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならない。

資本取引・損益取引区分の原則

四 企業会計は、財務諸表によって、利害関係者に対し必要な会計事実を明瞭に表示し、企業の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならない。

明瞭性の原則

五 企業会計は、その処理の原則及び手続を毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならない。

継続性の原則

六 企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならない。

保守主義(安全性)の原則

七 株主総会提出のため、信用目的のため、租税目的のため等種々の目的のために異なる形式の財務諸表を作成する必要がある場合、それらの内容は、信頼しうる会計記録に基づいて作成されたものであって、政策の考慮のために事実の真実な表示をゆがめてはならない。

単一性の原則

これらを踏まえつつ、管理部門にも以下のような重要な管理原則が存在するのではないかと考えています。

(企業会計原則と同様な表現を採用しています)

真実性・正確性の原則

 真実性を担保するような整理体制を構築しなければならない

 特定の部署の意を汲んで計上を変えることなく、真実に基づいた計上をしなければならない

 すべての取引について、誤りや意図的な調整を入れることなく正確に計上しなければならない

資本取引・損益取引区分の原則

 客観的に考えて実態に即している資本取引・損益取引へ区別しなければならない。

明瞭性の原則

 経営判断が誤らないように経理処理以外の数値(非財務情報)の実態を示さなければならない

継続性の原則

 継続的に行える整理体制を構築しなければならない

 継続の基準を会社の実態を表示しているかどうかに置き、必ずしも毎期継続して同じ基準や計上をしなければならないということはない

将来重視の原則

 過去の数値の把握は将来予測のためでなければならない

行動計画の原則

 将来予測のための行動計画による数値予測を組み込まなければならない

現実受入の原則

 過去の現実を認識・受入れなければならない

 楽観的でも保守的でもなく、現実を重視しなければならない

複雑化回避(合理的ロジック)の原則

 複雑な工程を設けない

 一つ一つの工程を経なくても仕組みや考え方によって合理的に把握や処理ができるようにしなければならない

法令厳守の原則

 法令を反映しない計画は不備な計画であるため、順守しなければならない

過去修正の原則

 過去に遡って修正をする必要がある場合、誤りが発覚した時点の日付で修正するのではなく、該当する過去の日付に遡って修正をしなければならない

 過去に把握していた時点の数値にこだわらず、実態を優先して、現在の月の数値に影響を及ぼしてはならない

 (修正が発覚した時点の日付で修正すると正しい分析ができなくなるため)

会社の将来を明確化することで、安心・前進できる体制づくりの実現を目指しましょう。